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2015.7.15 コラム一覧に戻る
過当取引
過当取引

                                              内橋  一郎 
 「過当取引」という言葉をお聞きになったことがあるでしょうか。
 過当取引とは、文字通り、過当な取引で、証券会社が証券取引について支配を及ぼし、顧客の信頼を濫用して、自分たちの利益を図り、その人の口座の性格に照らし、金額・回数が過当な取引をいいます。
 過当取引は、民事的には、米国での判例理論に由来するものでしたが、大阪地裁平成9年8月29日判決(判例時報1646−113)で、過当取引の3要件(過当性の要件、口座支配性の要件、悪意性の要件)に基づいて、証券会社の損害賠償責任を認めて以来、日本でも、多くの過当取引を認める裁判例(中には適合性違反を理由とする裁判例もあります)が生まれています。
 僕も、2000年頃から、(大阪地裁平成9年8月29日判決を勝ち取られた)証券分野の第一人者の三木俊博弁護士が主催されていた「過当取引研究会」に参加し、過当取引を勉強してきました。
 最初に取り組んだ訴訟は、残念ながら、敗訴となりましたが、その後、平成16年に2つの勝訴判決を高等裁判所でもらいました。最初の過当取引勝訴判決(確定判決)は、一審敗訴であっただけに(過失相殺は大きかったものの)、控訴審での逆転勝訴だけに、格別の嬉しさがありました。
その後は、勝訴的和解や勝訴判決が続いており、つい最近も、取引開始時60歳代の女性に対する過当取引について、地方裁判所で、実損害の約3分の2での賠償を認める和解を得ることができました。判決を求めれば損賠賞金の金額はもう少し増えた可能性はあると思いましたが、過失相殺を比較的大きくされることの多い過当取引事案としては、それなりの割合であること、判決の場合には今後の控訴審等に時間がかかること、原告の方の健康状態等を考慮した上で、原告の方に納得して頂いた上で和解しました。
勝訴判決に勝訴的和解を勝訴に準じて考えると、過当取引については、現在まで7勝1敗で、自分の取り扱ってきた事件では、医療過誤訴訟に準じる勝訴率であると、自分で勝手に思っています。
過当取引の立証は、先に述べた3つの要件を立証することであって、無断売買や断定的判断提供等が必須の要件ではありませんので、自分の取引が過当取引、回転売買ではないかとの危惧をお持ちの方は一度相談して下さい(ただ、過当取引かどうかは、取引の一覧表を作り、多数の取引を分析してみなければならないので、訴訟を開始するまでに多少の時間はかかります)。
                                                  以 上

以上

弁護士内橋一郎
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