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2016.05.23 コラム一覧に戻る
【最近の医療過誤判例から】B
【最近の医療過誤判例から】B
                                                弁護士 内橋一郎
1. 看護事故(東京地判平成26年9月11日=判タ1422-357)
≪ケース≫
 くも膜下出血で入院中の患者が術後5日目に蒸しパンを喉に詰まらせ窒息したことについて、看護師の食事介助の適否が問題となったケース
≪争点≫
看護師の食事介助のあり方が注意義務違反にあたるか。
≪裁判所の判断≫
 文献によれば、嚥下訓練にあたって嚥下の状態を見ながら、ペースト食や刻み食、一口大食などと段階的に通常の摂取に近付けるものとされている。本件当日は手術から5日しか立っておらず、原告の意識状態は蒸しパンを口に入れた段階で、JCS3で辛うじて名前を言うことができる程度で、してはいけないこととしてもよいことを理解する能力が低下し、食事摂取にあたり、自分の嚥下に適した食べ物の大きさや柔らかさを適切に判断することが困難な状況にあり、自分の嚥下能力を超えた食べ物をそのまま飲みこもうとする行動する出る可能性がある等を、食事介助に当たる看護師は十分に予測できる状況にあった。
 以上からすれば、食事介助にあたる看護師は、蒸しパンが窒息の危険があることを念頭におき、予めパンを食べやすい大きさにちぎっておく等の措置を講じる注意義務を負うところ、そういった注意義務をしていなかったことは明らかであり、適切な食事介助を怠った注意義務違反が認められる。

2.歯科(東京地判平成26年8月21日判決=判タ1415-260)
≪ケース≫
  患者が、歯科医院で、サイナスリフト(上顎洞底粘膜と上顎底との間に骨移植を行い、インプラント体の埋入に必要な骨の厚みを獲得する方法)、インプラント体の埋入等の手術を受け、手術に際して、トレフィンバー(円形の切削器具)を用いて患者の右下顎枝から骨移植に必要な移植骨を採取した上、サイナスリフト、インプラント体の埋入等を行ったが、その後、まもなくして、患者が右側オトガイ部のしびれ等の知覚異常を訴えるようになり、後医において、右側下歯槽神経麻痺と診断された。患者は、手術費用等の損害賠償請求を行った。
≪争点≫
骨採取の際に、トレフィンバーによって、下歯槽神経麻痺を損傷した注意義務違反があるか。
≪裁判所の判断≫
 後医CT画像が撮影された当時、患者の右下顎枝前縁部には、内部にある下顎管へ通じる欠損が存在しており、本件欠損がトレフィンバーによる切削が行われた位置の近くに存在すること、患者が手術後、創部の腫脹が引き始めた頃から、6年以上にわたって、下口唇や右側オトガイ部の知覚障害を訴えており、これらの症状は下顎管内を走行する下歯槽神経が損傷した場合に生じる知覚麻痺と整合し、大学病院にて下歯槽神経麻痺等の診断を受けていること、トレフィンバーによる切削以外に本件欠損の原因となり得る事情を認めるに足りる証拠がないことからすれば、本件欠損はトレフィンバーが下顎管迄到達したことによって生じたものであり、下顎管まで到達したトレフィンバーみより下歯槽神経が損傷したものと認められる。
                                                      以上

※判例は、判例雑誌に掲載された裁判例をもとに整理したものです。
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