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2016.08.16 コラム一覧に戻る
こどもの事故に関する最近の裁判例
【こどもの事故に関する最近の裁判例】
                              
                                          弁護士 内橋一郎


1.  夏休みシーズン真っ盛りだが、この時期、海や川等での事故の報道をよく目にする。
 判例雑誌の8月号(判例時報2296号)にも、こどもの事故に関する裁判例が掲載されていたので、紹介しておきたい。

2.  最初は、中学2年生が少年野球チームのレクレーションとして海水浴中におぼれた事故について、引率していたチームの代表者、副代表者、保護者会会長に注意義務違反はなかったという裁判例である(大阪高裁平成27年9月3日、判時68頁)。
 ここでは、海水浴場の事前調査・確認義務や、監督監視体制整備・現場監督監視義務が問題となった。
 前者について、本件海水浴場は正規の海水浴場であり一応安全なものと判断される、海水浴場には常に一定の危険が伴うことから、海水浴場の選定にあたり、事前に調査・確認をしなかったとして、過失があるとは言えないとした。
 後者について、参加者はいずれも中学生であり、泳ぐこともできない者も含まれていたことのであるから、本件事故当日の状況に即して言えば、選手らが海に入るにあたっては深みもあること等海の危険や深みのある場所の目安について警告し、さらに海に入った選手の状況に保護者等の目が届くような体制を構築すべきとしつつ、本件海水浴場は正規の海水浴場であり、事故当時の海の状況は、穏やかであったこと、本件海水浴が任意団体による参加の行事であったこと等から過失を認めることはできないとした。

3.  2つ目は、有限会社の経営する保育園において、お昼寝の際のうつぶせ寝に関して、保育園経営者に対する不法行為責任を認めた裁判例である(仙台高裁平成27年12月9日、判時86頁)。
 判決は、園児の死亡原因は、睡眠中、顔面を下に向けた姿勢をとっていたことによる鼻口部圧迫又はこれと再呼吸の競合による急性の窒息死であるとしたうえで、保育士は保育の専門家として、うつぶせ寝の危険性を十分認識していたにもかかわらず、園児をうつぶせ寝させたまま、そのそばを離れた等の過失を認めた。

4.  3つ目は、事故ではなく、受験に関する担任教諭の受験指導が問われた裁判例である(東京地裁平成28年3月7日、判時112頁)。
 被告となったのは、小学校1校、中学校3校、高等学校3校、大学1校等を経営する学校法人で、この小学校においては中学校を受験する者が多く、同校においては、六年生の担当教諭が受験を考える児童及び保護者に対して個人面談を行い、その中で持ち掛けられた相談に対し助言し、第一志望校の決め方等について説明がなされてきた。
 当該児童は、被告学校法人が経営する中学校を受験したが、不合格となった。
 そこで当該児童は、自分の偏差値に見合う他の中学校を受験する機会を逸して、精神的苦痛を被ったと主張。
 判決は、あくまで中学校までは義務教育でであって、受験を必要とする中学校に進学するか、どの中学校を受験するかは児童及び保護者が決定すべきことであり、小学校側と児童側との間に特段の合意がない限り、児童・保護者の決定に際し、小学校側に指導義務、助言義務は認められない等として、請求を棄却した。
                                     

以上

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