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2005.06.03 コラム一覧に戻る
兵庫県消費生活条例の改正ポイント〜消費者の権利宣言
兵庫県消費生活条例の改正ポイント〜消費者の権利宣言
 
1,兵庫県消費者保護条例が改正され、「消費生活条例」として平成17年4月1日から施行されています。
消費生活条例は、消費者と事業者の情報・交渉力格差を考慮し、消費者の権利などの基本理念を定め、県や事業者の果たすべき役割を明らかにし、県民の消費生活の安定・向上を確保することを目的とするものです(1条)。
以下では重要な改正ポイントについて簡単に説明致します。
2,消費者の権利宣言
 消費生活条例は、消費者施策は次の9つの消費者の権利を尊重しなければならないと規定しています(2条)。
 9つの権利とは、県民の消費生活における基本的な需要が満たされていること、A県民の健全な生活環境が確保されること、B消費者の安全が確保されていること、C商品及び役務について消費者の自主的かつ合理的な選択の機会が確保されていること、D商品及び役務について適正な取引条件が確保されること、E消費者に対し必要な情報が提供されること、F消費者に対し必要な教育の機会が提供されること、G消費者の意見が消費者施策に反映されること、H消費者に被害が生じた場合に適切かつ迅速に救済されることをいいます。
 いずれも大切な消費者の権利ですが、具体的な被害救済の観点からはHの権利が今回の改正でどう反映されているかが殊に重要であると考えます。
3,不当な取引行為の禁止
消費者と事業者の間の取引について、「勧誘行為」(26行為)、「契約内容」(10行為)、「債務の履行」(8行為)、「契約解除」(8行為)、「与信行為」(4行為)について不当な取引行為を定めました(11条)。
(1)不当な勧誘行為とは、消費者に対し、@販売意図を隠し、A商品若しくは役務に関する重要な情報を提供せず、若しくはB誤認を招く情報を提供し、又はC消費者を威迫し、D若しくは困惑させる等の不当な方法を用いて、契約の締結を勧誘し、又は契約を締結することを言います。
(2)契約内容に関する不当行為とは、@著しく消費者の権利を制限し、A又は消費者の義務を加重する等の取引における信義誠実の原則に反する消費者の利益を不当に害する内容の契約を締結することを言います。
(3)債務の履行に関する不当行為とは、@消費者若しくはその関係人を威迫し、困惑させる等の不当な方法を用いて、契約(契約の成立又はその内容について当事者間に争いがあるものを含む)に基づく債務の履行を強要し、A又は債務の履行を不当に拒否し、若しくは遅滞することをいいます。
(4)契約解除に際しての不当行為とは、@消費者の正当な根拠に基づく契約の申込の撤回、契約解除若しくは取消の申し出若しくは契約の無効の主張を不当に妨げて、契約の成立若しくは存続を強要し、A又は契約の申込の撤回、契約の解除若しくは取消の申し出若しくは契約の無効の主張を有効に行われたにもかかかわらず、これらによって生じた債務の履行を不当に拒否し、若しくは遅延させることを言います。
(5)不当な与信行為とは、商品若しくは役務を供給する事業者又はその取次店等実質的な販売行為を行う者からの商品又は役務の購入を条件又は原因とする契約若しくは保証を受託する契約(与信契約)について、消費者の利益を不当に害することが明白であるにもかかわらず、その締結を勧誘し、若しくは締結させ、又は消費者の利益を不当に害する方法で与信契約に基づく債務の履行を強要し、若しくは債務の履行をさせることをいいます。
事業者は、上記不当な取引行為を行ってはならず(12条1項)、これらの規制に違反する場合には知事は事業者に対し指導・勧告を行うとされています(13条1項)。
4,立証責任転換規定と事業者名公表
(1)事業者が不当取引行為を行ったか否かを判断する場合において、商品の種類・性能・品質等につき、不実のことを告げる行為を行ったか否かを判断する必要があるときは、知事は事業者に対して、告げた事項の裏付けとなる合理的な根拠を示す資料の提出を求めることができ、事業者が資料を提出しない場合には不実告知行為を行ったものとみなすとしています(12条2項)。
 言った言わない等が争いになる等消費者被害の立証が容易ではない消費者事件の特質に鑑み、いわゆる立証責任の転換を認めた規定です。
(2)また不当事業行為により、相当多数の消費者に被害が生じ、又は生じるおそれがある場合において、当該不当取引行為による被害の発生又は拡大をを防止するため、緊急の必要あるときには、事業者の氏名、名称及び住所その他必要な事項を公表するものとするとされました(13条2項)。
5,苦情申出によるあっせん制度・審議会調停制度と消費者訴訟援助制度
(1)県民は、この条例の規定に違反する事業者の事業活動により、消費者の権利が侵され、又は侵されるおそれがあるときは、知事に対して、その旨を申し出て、適切な措置をとるべきことを求めることができると規定されました(17条3項)。
苦情申し出による「あっせん制度」は以前からありましたが、改正条例は「消費者の権利」の観点から「適切な措置をとるべきことを求めることができる」を規定しました。
(2)「あっせん」では解決が困難である場合には審議会の調停に付することができると規定されています。簡単に言えばあっせんは県の職員による調整ですが、審議会の調停は審議会の会長が指名する審議会の委員によって行われます。学者、弁護士などによって構成されることになろうかと思われます。
兵庫県では全国に先駆けて、この制度を採用し、かつては活用されていたのですが、ながい間、使われてきませんでした。今回の改正で、あっせん制度では解決が「著しく」困難であるという要件を外しました(13条1項)ので、今後活用されることが期待されます。
(3)消費者訴訟援助制度は消費者が事業者を相手に訴訟を行う場合に訴訟に関わる費用を援助する制度で、以前からあったのですが、今回の改正では消費者が事業者を相手に訴訟を提起する訴訟に加え、事業者から提起された訴訟も対象になりました(21条)。
6,まとめ
、兵庫県消費生活条例の改正ポイントを簡単に説明しました。今回の改正では有益な改正点も多数あったと思います。問題はこの条例をどう使いこなすかです。
 消費者被害にあったと考える場合には、消費者の権利である苦情申出をして、あっせんを求め、あっせんで解決が困難な場合は審議会の調停を活用していきたいものです。
 ぜひぜひ、積極的に活用していきましょう。

(内橋一郎)

以上

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