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2006.02.02 コラム一覧に戻る
団体訴権制度の創設とひょうご消費者ネットの結成
1,  「点検にきました」と偽って必要のないリフォーム契約を結ばせたり、あるいは英会話教室を中途解約したところ、高額な解約料を求められ、殆ど返金がなかったり等消費者被害は相変わらず多いのですが、そういった被害を受けたとしても裁判にはお金や時間がかかりますし、専門知識もいります。被害を受けながら、裁判にかかるお金・時間・知識のことを考えて、泣き寝入りしているケースもたくさんあるように思います。
「団体訴権」は、(そういった被害者個々人ではなく)消費者団体に、消費者全体の利益を守るために、事業者の不当な行為(不当な約款、不当な勧誘)の差し止め等の裁判(訴訟)をする権限(訴権)を認めようとする制度です。
我が国では、これまでは被害にあった人しか裁判ができなかったのですが、団体訴権制度が認められれば、個々人が自分の費用や時間を犠牲にして裁判をしなくても、消費者団体が消費者のために戦ってくれ、勝訴すれば消費者団体の得た判決を交渉の場で活用し、救済を得ることもできますし、また事業者はその約款を使うことができなくなり、消費者被害を未然に防ぐことができます。
海外ではドイツ、フランス、オランダ、イギリス、台湾、タイ、インド等既に導入されていますが、我が国でもいよいよ、本年度の通常国会で審議されることになっています。

2,  消費者団体が消費者の利益を代表して裁判を戦ってくれるにせよ、消費者団体の力が弱いために、裁判で負けてしまっては折角の制度も台無しです。
裁判で消費者団体が力を発揮していくには、消費者が力を結集させること、殊に消費者問題に深く関わってきた学者、弁護士、司法書士、消費生活相談員などが力(知恵と経験)を合わせることが重要です。
この団体訴権を担う消費者団体の受け皿となるべきグループが、京都・大阪・広島・東京・埼玉等各地において結成されていますが、兵庫県にも「ひょうご消費者ネット」が昨年12月に結成されました。これまで兵庫県では学者、弁護士、司法書士、消費生活相談員等の交流の機会は比較的少なくそれぞれが活動を行ってきたのですが、これらの専門家が消費者の利益のために結集することになったのです。
『ひょうご消費者ネット』は、現時点のメンバー約30数名で、消費者問題に関する情報を収集・研究し、不当な約款や勧誘行為の是正を求める活動を展開することを主たる目的とし、消費者被害110番等が予定されています。

3,  団体訴権は消費者団体が消費者のために裁判を行うもので、これまでになかった画期的な制度です。ある学者の方が「消費者問題も個人戦から団体戦の時代に入った」と話されていましたが、消費者団体が訴訟で力を発揮するにはチームワークを保ちつつ、メンバーの持つ専門性を向上させていくことが必要になろうかと思います。その意味でも、学者、弁護士、司法書士、消費生活相談員相互の交流が比較的少なかった兵庫県において、それらの専門家が一堂に会する、『ひょうご消費者ネット』の設立は重要であり、その活躍が多いに期待されるところです。

(内橋一郎)

以上

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