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2009.03.30 コラム一覧に戻る
ある高齢者投資被害事件〜海外先物取引、海先オプション、事業ファンド
1,  ある高齢者投資被害事件〜欺瞞的金融商品の次々販売
平成17年、埼玉県の認知症の姉妹が次々と住宅リフォーム工事をされ、多額の被害を被った事件のことは記憶に新しいと思います。一度契約した消費者をターゲットに次々に和服、寝具、浄水器、床下乾燥機などの新たな契約をさせる商法を「次々販売商法」といい、高齢者の被害が大半を占めます。
近時、わたしが担当した案件は、同様に、高齢の女性に対して、欺瞞的投資商品を次々に販売し、多額の損害を被らせた、いわば投資商品についての次々商法被害事件ともいうべき案件でした。
被害者は、当時78才の女性で、本件での投資被害事件以外でも、浄水器等を何度も買わされる等の次々販売の被害者でもありました。
平成17年、A社から、海外商品先物取引の契約勧誘を受け、同社と同年8月〜翌18年5月迄取引をし、数百万円の損害を被りました。次いで、平成18年5月、A社の従業員であった甲、乙らが移籍したB社と、海外商品先物オプションの契約をし、同年7月まで同社と取引をし、数百万円の損害を被ることになります。さらに、A社の取締役であった丙が代表取締役をするC社から、事業ファンドの勧誘を受け、平成18年9月から翌19年5月迄に、17回にわたり事業に対する投資と称して、4000万円を超えるお金を拠出させられました(後に、C社は、3千数百万円を返金)。
   入院中であった夫が平成20年3月になくなり、遺品の整理のために被害者の自宅を訪問した親族が、この被害に気付き、投資被害事件が判明するに至ったというものです。 
2,  海外先物取引は、海外市場の商品先物取引を対象とするもので、海先法が規定しており、商品取引所法に準じた規定がありますが、適合性原則や参入規制・自己資本規制・分別管理規制等不十分な点が多々あります。また海外先物取引については、そもそも海外市場につないでいないのではないかと疑わしい業者がいます。最近の判例(東京地裁平成20年5月30日判決=先物取引裁判例集52−249)は、海外先物取引は極めて投機性の高い取引であって、取引参加者に予期せぬ巨額の損失を被らせる危険性が大きく、海外先物取引に参加するためには、当該商品市場における商品価格の変動や為替変動を的確に予測し、それらの変動に対して即時的な判断・対応ができるだけ専門的な知識と経験のあることが必要であり、また予期せぬ損失や証拠金の追加(追証)に対応することができるだけの資金の余力のあることが必要であるとし、委託者側の請求を全部認容しました。
   海外先物オプションは、海外市場での先物取引でのポジションを原資産とするオプション取引(原資産を予め定められた価格で買う権利ないし売る権利を売買する取引)です。現在は、海外先物オプション取引全体を直接取り締まる業法はありませんが、適合性原則、説明義務、断定的判断提供禁止等の商品取引所法や金融商品取引法が共通して規定する要請は、当然海先オプション取引にも妥当すると解すべきであり、適合性原則違反、説明義務違反などを認めた裁判例が多数あります。最近の判例(東京地裁平成17年2月24日判決=先物取引裁判例集40−113)は、オプション取引はその仕組みが複雑で容易に理解しがたく、一般人がプレミアムの変動を予測することは不可能に近く、オプション転売取引は賭け事に近い性質を持つ極めて危険性の高い取引であるとしています。
ファンドには有価証券に投資する投資型ファンドと有価証券以外に投資する事業型ファンドがあります。事業型ファンドについては、以前は取締規制がなかったのですが、近時、金融商品取引法が投資型だけでなく事業型も含めて集団投資スキームとして規定するようになり、一定の規制がなされることになりました。ファンド商法においては、どういう対象に投資するか明確でないものがあり、さらに言えば、そもそも投資しているかどうかも怪しい欺瞞商法もあります。運用の実態や返還の意思がないにもかかわらず、お金だけ拠出させて、そのうちに行方をくらます業者も少なくないようで、そうだとすれば、完全な詐欺ということになります。 

3,  この種の投資被害については、既に述べたとおり、市場につないでいないのではないか、あるいは事業に対する投資の実態がないのではないかとの強い疑問を持たざるを得ないような欺瞞的な業者もかなりあります。本件でも、A社の取引報告書によれば、R社を通じて海外の先物取引市場へ注文をつないでいる旨が記載されていたのですが、本件取引が開始される際には、そのR社は既に破綻していました。破綻した会社を介して市場に取り次ぐことなどできないでしょうから、この一事をもってしてもかなり胡散臭い業者であることは明らかです。
こういった欺瞞的な業者については、そのうちに、行方をくらましてしまうことが多く、時期的に区分すると、欺瞞商法による事業を拡大している最中の「拡大期」、次いで「過渡期」、最後に行方をくらます「逃亡期」があるとされています。
したがいまして、こういった欺瞞的投資被害事件については、早い時期に弁護士に依頼して、法的な対応を取れば被害救済が可能になりますが、行方をくらましてからでは、救済が困難になります。被害に気づいた時は、弁護士に直ちに相談されるのがよいと思います。
本件でも、依頼を受けて、直ちに相手方業者に内容証明文を出し、また同時に訴訟を提起しました。訴訟提起後、相手方業者が実損害額の98・5%の和解金を支払う旨の和解が成立し、回収することができました。    
                                            以 上

                                               弁護士内橋一郎

以上

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