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2009.08.21 コラム一覧に戻る
FX取引と商品CFD取引
1,外国為替証拠金取引(FX)
(1)金融自由化ということで、外国為替証拠金取引が無規制なまま放置された結果、平成15年から16年頃にかけて悪質業者による外国為替証拠金取引の被害が激増しました。 外国為替証拠金取引は、外為を対象とする証拠金取引で、ハイリスクな取引ですが、無規制なまま放置された結果、いかさま業者がたくさん参入し、外貨預金との区別が付かないような人たちを主なターゲットとして多数の被害を生み出しました。被害者には主婦や高齢者が殊に多かったようです。
 外国為替証拠金取引については、為替相場を指標とする賭博行為であると判例が相次ぎ、司法による個別救済が図られました。
 平成16年12月、金融先物取引法の改正で、登録制、不招請勧誘(顧客が勧誘の要請をしていないにもかかわらず、業者が訪問・電話することは許されないこと)、再勧誘禁止、断定的判断提供禁止、書面交付義務、適合性原則、外務員登録、自己資本比率(120%)等の規制が行われました。
 その結果、独立系外国為替業者は300社あったのですが、その多くは淘汰されました。19年9月以降は金融商品取引業者の登録に統合されています。
 しかし、最近にも、「絶対に損はさせない」(投資会社アライド)とか、「月20%の配当する」(オール・イン)等と称して、無登録で、顧客から巨額の資金を集めた業者に対し、金融商品法違反による捜査がなされております。
 無登録営業など、とんでもないことですが、登録されている場合にも以下の問題点が指摘されています(消費者法ニュース79−205、荒井哲朗「FXに関するこんにち的問題」)。

(2)システムトラブル
 FX取引においてシステムトラブルの問題が強く指摘されています。高いレバリッジをかけて取引するFXでは取引レートが急変した場合には多額の損害が発生する可能性があるが、システムトラブルで決済できない時はさらに損害が拡大することになります。
 ロスカットライン(自動反対売買の仕組みが発動される維持証拠金を下回る取引水準)に達したにもかかわらず、FX業者がロスカットルールを発動させずに1000万円を超える差損金が発生したケースにつき、東京地裁平成20年7月16日判決(先物取引裁判例集52−166)は、FX業者には、真に予測不可能なものを除いて、同取引において起こり得る様々な事態に十分対応できるようロスカット手続のためのシステムを用意しておかなければならないところ、不十分であったとして、ロスカット手続が適切に行われた場合の想定価格との差額を損害賠償として認容しました。

(3)分別保管の杜撰さ
 ここ2年程の間に、業者の分別管理のあり方が不適切であったことから、複数のFX業者が破綻しました。金融商品取引法は、有価証券関連デリバティブ取引について顧客分別金信託契約を義務付けているのですが、店頭金融先物取引であるFX取引はその他のデリバティブとして、信託銀行への金銭の信託以外に銀行等への預金貯金、カバー取引相手方への預託等が保証金の区分管理として許容されているに起因すると言われており、大変に問題です。
  今回の金融商品取引法の改正で、金銭信託が義務付けられることにはなったのですが、規制に耐えられない業者もあると見られ、現在120社ある業者もかなり淘汰がすすむと言われています。問題は、既存業者には来年2月まで半年の準備期間があるため、この間の破綻の可能性には十分に注意する必要があります(平成21年09年8月16日付け日経新聞)。

2,ロコ・ロンドンまがい商法〜商品CFD取引
(1)ロコ・ロンドン金取引等による被害が相変わらず多いようです。
 国民生活センターは「新手の投資話ロコ・ロンドン金に注意!」という警告をHPに掲載し、70才〜80才の高齢者が取引の仕組を理解できないまま、100万円以上の高額なお金を投資、トラブルに巻き込まれているケースが多くみられるとしています。
 ロコ・ロンドンのロコとは本来は受渡場所という意味で、金の現物取引において受渡場所をロンドンにすることを条件としたときの価格(つまり輸送費や保険料を含まない取引価格のこと)をロコ・ロンドン価格(ちなみに、東京での受渡を条件とした価格をロコ東京価格といって、ロコ・ロンドン価格に輸送費等が上乗せされます)といい、この価格での取引をロコ・ロンドン取引と呼びます。ロコ・ロンドン取引は金現物の世界標準になっています。これに対し、問題となっている“ロコ・ロンドン金取引”は業者が提示するロコ・ロンドン価格を差金決済指標とする差金決済取引であって、顧客が証拠金(保証金)を預託して行う投資商品として勧誘・販売されているもので、その実態は顧客と業者がそれぞれ互いに契約当事者となって金銭の得喪を争うデリバティブです。現実にロコ・ロンドンにて金現物が買い付けられているわけではなく、あくまで差金決済の指標としてロコ・ロンドンが用いられているだけです。
 金以外の商品についても同様にも、差金決済取引があり、証券会社が株式や債券を原資産とするCFD取引になぞらえて商品CFD取引ということがあります。

(2)ロコ・ロンドン商法は、業者が仲介サービス(媒介、取次、代理)をする場合には、特定商取引法が適用され、クーリングオフが可能ですが、相対取引の場合には適用されません。
 しかし、このような取引は、相場の変動という偶然の事情により財物の得喪を争う行為であって、刑法上の賭博罪に該当する、相場による差金決済取引も法令により許容される場合には「法令行為」として違法性が阻却されますが、ロコ・ロンドン金取引はそのような法令もなく、正当業務行為として認める事情もなく、刑法上違法であると考えられます。
 東京高裁平成20年3月27日判決(集51−456)はロコ・ロンドン商法について、本件取引は偶然の事情によって利益の得喪を争うものであって、賭博行為に該当し、違法性を阻却する事由を認めることはできないのであって、仮に顧客が本件取引の仕組みやリスクを理解して任意に取引をしたとしても、賭博行為に勧誘した点において損害賠償責任を負うとしました。東京高裁平成20年10月30日判決(集53−377)も、同じく賭博行為として違法性を認め、3月27日判決が一定の過失相殺を認めたのに対し、損害額全額について損害賠償責任を負う(過失相殺なし)としました。札幌地裁平成21年1月8日判決(集54−210)、札幌地裁平成21年2月5日判決(集54−257)も過失相殺の適用を否定し全額賠償を認めました(2月5日判決は説明義務違反、適合性原則違反を理由とする)。
 また東京地裁平成21年3月25日判決は、仮に本件ロコ・ロンドン取引が特商法の指定役務に該当するとしても、特商法施行令の規定は、本件取引と同種の取引にクーリングオフなどの制度を適用させて迅速かつ簡易な被害回復を可能にしようとの趣旨に出たものであるから、指定役務に該当するからといって法令又は正当な業務行為として違法性阻却事由になると解することはできないとしました。

(3)ロコ・ロンドン金取引は許認可制ではないので、問題のある業者が参入してきているようです。かつて外国為替証拠金取引において、業者が荒稼ぎをして姿をくらますケースが多発し、多大な被害を生み出しましたが、ロコ・ロンドン金取引も同様の危険があります。
 あやしげな業者であればあるほど逃げ足も早いということが言えます。預託金返還請求(損害賠償請求、不当利得返還請求)をしようにも業者に雲隠れされてしまってからでは手の打ちようがないケースが多いので、早期に相談をする必要があります。
 本年成立した商品先物取引法では、ロコ・ロンドン金取引等の店頭先物関係も、商品先物取引法中に包括され、業者規制や不招請勧誘禁止を導入することになりましたが、施行までに業者が荒稼ぎ的な対応に出ることが危惧されますので、要注意です。

                           ( 内 橋 一 郎 )

以上

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