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2011.12.26 コラム一覧に戻る
2011年雑感


1、本年2011年もあと残すところ数日となりました。
 本年の反省を込め、また来年に向けて、2011年の自分自身の仕事を振り返ってみたいと思う。
 
2、2011年は、未公開株詐欺、社債、リゾート会員権、ファンド商法等の詐欺的投資被害の救済活動に多くの時間と力を、注ぎ込みました。
未公開株等詐欺は新聞やテレビ等マスコミでもしばしば紹介されており、ご承知とは思いますが、少しだけ紹介すると次のようなものです。
まず未公開株等を販売する業者から、未公開株等を販売するパンフレットが送付されてきます。販売される商品は株の例もあれば、社債やリゾート会員権等多種多様です。次いで、その販売業者が電話を架けてきて「何倍もの価格がつく」などと言って勧誘してきます。さらに買い取り業者、仲介業者と称する者から「X社の株(社債、会員権等)を探している。5倍で買い取る。入手したら連絡してくれ」と持ち掛けてくるのです。買い取り業者らは「限られた人しか買えない」とか「我々業者は株を直接購入できない」等もっともらしいことを言って信じさせます。買い取り業者を名乗る者は、販売業者の従業員か、あるいは販売業者が未公開株販売グループに依頼した偽の業者です。週刊ダイヤモンドの記事によれば、東京の日本橋、新宿、池袋などの雑居ビルに事務所を構える販売グループが存在し、複数の依頼主から販売の仕事を請け負っているようです。保有銘柄の売却代金の入金後に買い取り業者が買い取りに来る約束であったところ、急遽、業者は現れず、電話もつながらなくなり、ようやく騙されたことに気付くということになります。わずか数週間で数千万円を騙されたケースもあります。
この種事件では、被害者の方から相談を受けて、依頼があれば、直ちに動き出します。詐欺に利用された銀行口座を直ちに口座凍結し、訴訟提起して債務名義を取得して強制執行を行って回収し、また詐欺に関わった者を調査して財産を差押えるということを行います。
依頼の時期が比較的早い時期であれば、全額を早期に回収することが可能ですが、業者が既に逃げて姿をくらましているケースも少なくなく、回収できないケースもあります。最初から人を騙して逃げようとしている詐欺師を、後から追い掛けていくという作業は容易なことではありませんし、また近時、この種の詐欺はますます巧妙化しております。
しかし、自分なりの努力をして、できる限り被害の回復に努めていきたいと考えて取り組んでいます。

3、詐欺的投資被害の救済においては、相手方当事者(犯人)やその財産をどのようにして探知するか、どのようにして強制執行していくかが重要になります。
 この点については、2011年は「預金支店不特定執行」の問題について大きな動きがありました。
 詐欺的投資業者に対する損害賠償を認める判決を得ても、業者からの任意の支払いがない場合には、業者の資産に対して強制執行を行うことになります。一番、現実的な回収方法は業者の預金を差し押さえることですが、いままでは、預金の差押えには、どの銀行のどこの支店かを特定することが必要でした。しかし、業者がどの銀行のどの支店に銀行口座を持っているかはふつうにはわかりません。メガバンクだと支店だけでもかなりの数になりますが、そこから1つの支店に特定して差押えしても、ヒットする確率は極めて小さなものになってしまいます。
そこで、預金を差し押さえる際に、支店を特定しないでする方法が認められないかが問題になりました。
 2011年1月以降、「支店を特定せず、支店番号の若い順位を付した預金の差押命令の申立が差押債権の特定を欠くものではない」とする決定が東京高裁で相次ぎました(東京高裁平成23年1月12日決定、同年3月30日決定等)。ぼくが担当した案件でも、1件勝訴決定を得ました(東京高裁平成23年6月22日決定=判例時報2122−83、判例タイムス1355−243、金融法務事情1926−124)。しかし、一方で、特定を欠くとする決定もありました(東京高裁平成23年3月31日決定、同年4月28日決定、同年5月16日決定等)。そうしたところ、最高裁平成23年9月20日(第3法廷)は、特定を欠き、不適法と判断しました。
 しかし、この最高裁決定に対しては実務的にも批判が強く、また最高裁決定後も東京高裁平成23年10月26日決定(第22民事部)が「銀行の全店を対象にして、その中で差押対象預金の残高が一番多い店舗の預金を差押える申立は特定に欠けるものではない」とする(金融法務事情1933−9)等、今後もこの議論は続いていく可能性があります。

4、僕が担当した「匿名組合の預金執行」に関する問題でも、東京高裁平成23年11月30日判決が、匿名組合における預貯金開設方法(口座名、届出住所)や債権差押命令が送達された場合の金融機関の確認義務について新しい判断をしています。
匿名組合というのは、匿名組合員が営業者の営業のために出資をし、営業者が営業から生じる利益を分配することを目的とする契約で、出資は営業者に帰属し、営業は営業者の名において行われ、第三者に対しては営業者のみが権利義務を有するという関係です。
 従って、匿名組合に対して債務名義を得る時は、A匿名組合こと(営業者)Bということになります。また預貯金の口座も、本来、営業者と銀行との預貯金契約になりますので、匿名組合の名前を口座名に入れるとなると、A匿名組合(こと)Bということになるはずです。その届出住所も本来営業者であるB個人の住所になるはずです。ところが、ある銀行は口座名をA匿名組合という名称として認め、その届出住所をA匿名組合の事務所として認めていました。
 ある時、債権差押命令が発布され、銀行に送達されたのですが、銀行は、債務者をA匿名組合ことBとし債務者の住所をB個人住所とする債権差押命令に対して、該当口座なし、届出住所が異なると回答したのでした。銀行がA匿名組合名義の口座開設を認め、その住所を匿名組合の事務所住所としていたにせよ、本来、預貯金口座は本来BかあるいはA匿名組合(こと)営業者であり、届出住所もBの住所のはずですから、銀行はBの住所等を確認した上で回答すべきでした。それをせずに該当口座なしとした銀行の対応は間違っています。そこで銀行に対する債権取立訴訟を起こしたのが本件です。
東京高裁平成23年11月30日判決は、債権差押命令が送達された場合に、差押えの効力が送達の時点で生じることにそぐわない事態にならないように、速やかに確実に債権を識別できるような業務体制を、金融機関側としても構築しておくことが期待されているとして、通常の貯金口座と区別して、営業者である貯金者の住所・氏名に代えて、匿名組合の事務所・名称に関する情報を電子化して管理する取り扱いをする場合であっても、第三債務者として差押命令の送達を受けた場合には、営業者である貯金者の住所・氏名に基づいて貯金口座を識別することのできる用意をしておくべきであったとしました。
 強制執行の分野は、従前からの取扱が維持される傾向が強く、実務は容易には動かないのですが、しかし、個々の問題で1つ1つチャレンジしていくことが実務を変革する上で重要であると考えます。

5、医療過誤訴訟の分野では、病院の看護体制(アラーム対応)が問題になる案件について患者側勝訴を認める判決(神戸地方裁判所平成23年9月27日判決)を得ました。しかし、病院側から控訴があり、来年1月には控訴審が始まります。引き続き、頑張っていきたいと思います。 
保険法については、兵庫県弁護士会消費者保護委員会の仲間たちと1年間、月2回の勉強会を続けてきました。来年も続けて、来年度中にはなんとか出版ができるようにしたいと思います。
本年は3つの弁護団に参加しました。
リース被害救済弁護団、安愚楽牧場被害救済弁護団、茶のしずく被害救済弁護団(いずれも兵庫県弁護団)です。そのうちリース被害救済弁護団と茶のしずく被害救済弁護団では弁護団長をつとめることになりました。

6、さて、もう少しで2012年です。
 サッカーの前日本代表監督だった岡田武史さんは中国のクラブチームの監督を引き受けられるとのことです。日本のサッカー監督としては初の海外進出ということのようです。
 ぼくは、語学ができないので、海外進出はできませんが、それでも新しい分野にチャレンジしていきたいと思っています。
                                                  以 上

以上

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