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保険法実務ノート(1)〜保険の基礎〜
保険法の実務ノート(1)
〜保険の基礎〜
                                内 橋 一 郎                                  
1,  保険の意義
(1)  保険は何のためにあるのか
わたしたちの生活には、火災、自動車事故、死亡、将来の生活等様々な危険があります。
保険は、@こういった危険を有する人達が、A少額の金銭(保険料)を拠出して、共通の準備財産を形成しておき、B事故が発生し、危険が具体化した人に対して、C準備財産から必要な金銭(保険金)を所定の条件に従って払う制度で、D日常生活で遭遇する、不幸な出来事による、経済的な損失の可能性(リスク)を保険契約によって、保険者に移転する制度です(岡田「現代保険法」4頁、潘「保険法概説」1頁)。
※ 保険の仕組み
1) 大数の原則
・  個々の経済主体にとって偶然かつ予見できないことも、多数の主体についてみると、一定の確率がある。これを大数の原則という。保険制度は大数の原則の上に成り立っています。
2) 収支相等の原則
・  構造上同じ建物が火災により焼失する確率が1000分の2であるとすると、1000万円の家が1000軒あったとして、そのうち、2軒が焼失するので、全体では2000万円の損害が発生することになります。この2000万円を1000軒で除すると1軒あたり2万円の支出で損害を填補することができ、全体として2000万円の保険料=保険金となっています(甘利・福田「ポイントレクチャー」3頁)。
3) 給付反対給付均等の原則
・  収支相等の原則は危険団体全体からみた場合の原則ですが、個別の経済主体からみれば、個々の保険料は受け取るかもしれない保険料の数学的期待値に等しい。これを給付反対給付均等の原則といいます。

(2) 保険契約の意義(保険法2条1号)
    保険契約とは、保険契約、共済契約その他いかなる名称であるかを問わず、当事者の一方が一定の事由が生じたことを条件として、財産上の給付(保険給付)を行うことを約し、相手方がこれに対して当該一定の事由の発生の可能性に応じたものとして保険料(共済掛金を含む)を支払うことを約する契約といいます(2条1号)。

               <保険者>
一定事由発生→〈保険給付〉↓ ↑〈保険料支払〉←一定事由発生の可能性 
               <契約者>
※ 共済とは
・ 農業協同組合法や消費生活協同組合法等の各種協同組合法による共済事業によるものをいう。
・ 契約の実質として、保険と異ならないので、保険法では同様の規律を受ける(2条1号)
2,  保険にはどのようなものがあるか
(1) 公保険 (社会保険)と私保険
主として民間の保険会社が営む私保険と国等の公法人が運営する公保険(社会保険)があります。
公保険(社会保険)は国等が一定の政策目的を実現するために行うもので、健康保険、介護保険、雇用保険等があります。
(2) 生命保険、損害保険、傷害疾病保険
@  生命保険契約(第一分野)
・ 生命保険とは、「人の生存又は死亡」に関して「一定の」保険給付((2条8号)を行うことを約するものをいいます。
・  生命保険の例
定期保険とは、保険期間は一定で、その間に死亡した場合のみ死亡保険金が受け取られるものをいいます。満期保険金はありません。
養老保険とは、保険期間は一定で死亡した時には死亡保険金、満期時に生存していれば満期保険金が受け取れるものをいいます。死亡保険金と満期保険金は同額です。
終身保険とは、死亡した場合に死亡保険金が受け取れるもので、保険期間は特定の期間をもうけず、一生涯死亡保障が継続します。満期保険金はありません。
{生命保険}
   <人の死亡(または生存)>→<定額保障>
A 損害保険契約(第二分野)
・  損害保険とは、「偶然の事故」によって生じる「実損害」の填補を目的する保険をいいます(2条6号)。
・  損害の保険の例
自動車保険
火災保険
オールリスク保険(動産総合保険、テナント総合保険等)
責任保険
{損害保険}
    <偶然の事故>→<実損害補償>
A  傷害疾病保険契約(第三分野)
・ 傷害疾病保険契約には傷害疾病定額保険と傷害疾病損害保険があります。
・  「傷害疾病定額保険」(2条9号)は、「傷害保険」(急激、偶然、外来の事故を保険事故とするもの)、「疾病保険」(疾病による死亡・手術・入院・通院を保険事故とするもの)をいいます。
・  傷害疾病「定額」保険としては、普通傷害保険、交通事故保険、がん保険、三大疾病保険があります。
・  傷害疾病「損害」保険(2条7号)には、海外旅行傷害保険治療費用条項があります。
{傷害保険(疾病保険)}
        <急激・偶然・外来の事故>→<定額保障>
    (疾病による死亡・手術・入院・通院)

以上

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