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2013.6.26 コラム一覧に戻る
『おもえば夢の一字かな』
『おもえば夢の一字かな』
                                           内 橋 一 郎

1.大岡信さんの『瑞穂の国歌』という文庫本を読んでいる が、なかなか興味深い。
 『折々のうた』の大岡さんが選ばれた俳句や短歌の歳時記 で、前半は1月から12月のそれぞれの月にかかわる俳句や短 歌を紹介され、解説されている。後半は芭蕉、子規、漱  石、虚子に関わるエッセイである。高校時代、古文の先生  が俳句や短歌を読み上げられているのを聞きながら、い いものだなと思ったこともあったが、それ以来、あまり縁 がなかった。今回、大岡さんの文章がよいせいもあり、と ても興味深く感じている。

2.いまは6月なので、「6月−命たのしき水無月」から、い くつか紹介したい。
  今年は空梅雨のようだが、本来、6月は梅雨の月である。 その水に関係が非常に強い6月なのに、なぜ「水無月」とい うのか、という書き出しから始まる。
 ちなみに、梅雨というのは、梅の実が段々黄色く熟する頃 に降るので、梅雨というらしい。五月雨(さみだれ)とも いうが、陰暦の5月は今の6月なので、梅雨時に降る雨を五 月雨ともいうらしい。
  五月雨といえば、「五月雨を集めて早し最上川」とか  「五月雨の降りのこしてや光堂」という芭蕉の句が有名  だ。
 また大岡さんによれば、五月雨と関係深い鳥に、ホトトギ スがあるとのことである。
 「五月雨に物思いをすれば郭公(ほととぎす) 夜ふかく なきていづちゆくらむ」(紀友則)
 「郭公雲居のよそに過ぎるなり 晴れぬ思いのさみだれの ころ」(後鳥羽院)
 「晴れぬ思いのさみだれのころ」と言われると、ああそう だなと感じ入ってしまう。
  ちなみにホトトギスは『夏は来ぬ』(佐々木信綱)で  は、「卯の花の にほふ垣根に 時鳥(ほととぎす) 早 も来鳴きて 忍音もらす 夏は来ぬ」とうたわれている。

3.花鳥風月を詠むのが俳句、短歌の世界だが、このとこ  ろ、やたらと忙しく、花鳥風月とは縁遠い生活を送ってき た。
  そして、あっと言う間に、6月も下旬に入り、今年も早や 半分が過ぎてしまった。年々、時が経つのが早く感じるよ うになってきた。
 今年の上半期はどうだったのだろうか。
  1月初めに、過当取引(証券事件)のケースで、うれしい 勝訴判決があった。
  2月は、富山で開催された全国証券問題研究会で、この判 決の報告をしたり、ミニシンポジウム(座談会)でコーデ ィネーターをしたりもした。富山で行ったお鮨屋さんも美 味しかった。
  3月は、茶のしずく被害救済全国弁護団会議に弁護団長と して参加してきたが、若い弁護士が多く、大変に盛り上が った大会で、とてもいい刺激をうけてきた。
  4月は、刑事事件の鑑定で、とてもいい結果が出た。また 高松で開催された全国先物取引被害研究会にも参加した。 司法修習生時代から友人が弁護士会長に就任し、地元会を 代表して挨拶をしているのを聞いて、時が経つのを感じ  た。
  5月は、安愚楽被害弁護団の弁護団会議で東京に行った  り、保険法の本の編集などでやたらと忙しかった。若いこ ろから消費者の弁護団事件をたくさん担当してきたが、最 近は年齢が一番上の方になったせいで、弁護団長をするこ とが増えてきた。若い弁護士と議論することでいい刺激を 受けていると思う。
  6月は、1月にあった証券事件の判決の控訴審で和解し  た。一審認定とおりの和解で、まずは満足のいく結果であ った。
  そう思って、振り返ってみれば、まずますの上半期だっ たかなとも思う。
4.さて、下半期はどうなるのだろうか。
  このところ、休日をすべて費やして取り組んできた保険 法の本が7月初めに出版されることになった。3年ほど前か ら、若い弁護士たちと一緒に勉強会や合宿(宿泊するわけ ではなく、1日を費やしての勉強会をいう)をやって保険法 を勉強してきたが、ようやく、出版という形で日の目を見 ることができるのがうれしい。「保険法Map」(共著)とい う本で、文字通り地図の役割を果たすことができればと思 っている。今回出版されるのは2分冊の1冊で、もう1分冊を まとめる作業に7月~8月中かかりそうだ。
 そして9月~10月は、ぼくにとって初めての裁判員裁判で、 その準備に忙殺されそうである。
  その裁判員裁判が終われば、11月である。霜月である。
  あっという間に、下半期も過ぎていきそうだ。
  『瑞穂の国歌』に戻れば、「花鳥もおもえば夢の一字か  な」(夏目成美)という句がある。
  1月から今までを、もっと言えば、高校時代に聞いた、古 文の授業から今までを、「おもえば夢の一字かな」という 思いでもある。
                                                  以 上

以上

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