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 1, 取扱分野−先物取引、海外先物、海先オプション、金保証金取引(商品CFD取引)、ファンド、未公開株取引

(1) 商品先物取引(国内公設市場)
 国内公設市場での商品先物取引を対象とするもので、商品取引所法が規定しています。
適合性原則違反(委託者の投資意向・知識経験・資産に適合しない取引をさせる)、説明義務違反(先物取引の仕組みや危険性を説明しない)・断定的判断提供(絶対に儲かる)、新規委託者保護義務違反(先物取引に習熟しない新規委託者に過大な取引をさせる)、過当取引(短期頻繁反復売買)や両建(売り玉と買い玉を同時に建てさせる)、難平等の問題取引等が問題になります。
 多数の委託者側勝訴判決があり、先物取引被害に関する判例を掲載する「先物取引裁判例集」は実に52巻に及びます。委託者勝訴判例でも、従前は委託者側にも落ち度があるとして、過失相殺される例が多く、過失相殺否定例は少なかった(年間数例程度)のですが、近時(殊に平成18年以降)は過失相殺否定例が増加してきています。
 委託者(被害者)側で、先物取引被害に取り組む弁護士の研究会として、先物取引被害全国研究会があり、平成21年月に開催された仙台大会で、開催回数は61回となりました。兵庫県にも先物取引被害に取り組む弁護士の研究会が神戸と姫路にあります。
 先物取引被害救済についての文献として、「先物取引被害救済の手引」(九訂版)、「実践・先物取引被害の救済」、「先物取引と過失相殺」があります。

(2) 海外先物取引
1.海外先物取引は、海外市場の商品先物取引を対象とするものです。国情も違いますし、市場参加者も異なります。海外市場の場合、その日にその市場でどのような取引が行われたかの結果を知ることすら、個人には容易ではありません。海外と日本とでは時間差もあります。目が届かない海外市場での取引は、国内市場での取引以上に、リスクが大きい取引であることは明らかです。
 海外先物取引については、海先法が規定しています。海先法には、書面交付義務、不当勧誘禁止等行為規制等の規定があり、また海先法固有の熟慮期間(8条)の定めもありますが、商品取引所法に比しても不十分です。本法は適合性原則について触れておらず、説明義務に関する明文規定もなく、参入規制や自己資本規制・分別管理規制もありません。海外先物取引については、そもそも海外市場につないでいないのではないかと疑わしい業者がいます。
 09年通常国会で、商品先物取引法が可決され、海外先物取引についても、規制が及ぶようになります。
2.海外先物取引被害は、70年〜80年代にかけて社会問題化し、その後沈静しましたが、近時、この被害が急増しているようです。国民生活センターは06年7月、「規制が強化された外国為替証拠金取引の分野から、海外先物取引や海外先物オプション取引の分野に業者が参入しているケースもあり、これらの取引に関する被害が今後さらに増加するおそれがある」として、「海外商品先物取引、海外商品先物オプション取引に注意!−知識や経験のない消費者は絶対に手を出さないこと−」を公表しました。
3.最近の判例(東京地裁平成20年5月30日判決=先物取引裁判例集52−249)は、海外先物取引は極めて投機性の高い取引であって、取引参加者に予期せぬ巨額の損失 を被らせる危険性が大きく、海外先物取引に参加するためには、当該商品市場における商品価格の変動や為替変動を的確に予測し、それらの変動に対して即時的な判断・対応ができるだけ専門的な知識と経験のあることが必要であり、また予期せぬ損失や証拠金の追加(追証)に対応することができるだけの資金の余力のあることが必要であるとし、委託者側の請求を全部認容(過失相殺なし)しました。

(3) 海先オプション取引
1.海外先物オプション取引は、海外市場での先物取引でのポジションを原資産とするオプション取引(原資産を予め定められた価格で買う権利ないし売る権利を売買する取引)です。
 オプションとは、特定の商品を、一定期日(満期日)または期間内に、予め決めた価格(権利行使価格)で、買い付ける権利(コールオプション)あるいは売り付ける権利(プットオプション)をいい、オプションの代金をプレミアムといいます。
 オプション取引は、デリバティブの1つで、コール、プットそれぞれに買いと売りがあります。
2.海先オプションについては、海外通貨オプションと海外商品先物取引オプションがあります。
海外通貨オプションについては、従前は金融先物取引法(ただし、平成16年12月改正=同17年7月施行までは一般投資家保護規定が整備されていなかったので、同改正までは民法の不法行為が活用されてきた)が、現在は金融商品取引法が適用されます。
 これに対し、海外商品先物オプションについては、金融商品取引法のデリバティブ取引に原資産となる金融商品には商品先物を除外しており(2条24項)、従前は直接取り締まる業法はなかったのですが、平成19年7月から、特定商取引法が、海外商品先物オプションの取次等仲介サービスを規制対象にしました。しかし、相対取引については以前のままです(09年通常国会で、商品先物取引法が可決され、海外先物取引オプションについても、規制が及ぶようになります)。
 海外先物オプション取引については、適合性原則反、説明義務違反を認めた裁判例が多数あります。
 東京地裁平成17年2月24日判決(先物取引裁判例集40−113)は、80才の女性が海外市場における通貨先物のポジションを原資産とするオプション取引によって老後の生活資金を奪われ、友人と一緒に有料老人ホームに入るというささやかな夢が破壊されたというケースについて、オプション取引はその仕組みが複雑で容易に理解しがたく、一般人がプレミアムの変動を予測することは不可能に近く、オプション転売取引は賭け事に近い性質を持つ極めて危険性の高い取引であり、長年専業主婦をしてきた80才の高齢者にはおよそ不適格であるなどとしています。

(4) ロコ・ロンドン金取引〜商品CFD取引
1.ロコ・ロンドン金取引による被害が相変わらず多いようです。
 国民生活センターは「新手の投資話ロコ・ロンドン金に注意!」という警告をHPに掲載し、70才〜80才の高齢者が取引の仕組を理解できないまま、100万円以上の高額なお金を投資、トラブルに巻き込まれているケースが多くみられるとしています。
 ロコ・ロンドンのロコとは本来は受渡場所という意味で、金の現物取引において受渡場所をロンドンにすることを条件としたときの価格(つまり輸送費や保険料を含まない取引価格のこと)をロコ・ロンドン価格(ちなみに、東京での受渡を条件とした価格をロコ東京価格といって、ロコ・ロンドン価格に輸送費等が上乗せされます)といい、この価格での取引をロコ・ロンドン取引と呼びます。ロコ・ロンドン取引は金現物の世界標準になっています。
 これに対し、問題となっている“ロコ・ロンドン金取引”は業者が提示するロコ・ロンドン価格を差金決済指標とする差金決済取引であって、顧客が証拠金(保証金)を預託して行う投資商品として勧誘・販売されているもので、その実態は顧客と業者がそれぞれ互いに契約当事者となって金銭の得喪を争うデリバティブです。現実にロコ・ロンドンにて金現物が買い付けられているわけではなく、あくまで差金決済の指標としてロコ・ロンドンが用いられているだけです。
金以外の商品についても同様な差金決済取引があり、証券会社が株式や債券を原資産として行っているCFD取引に対比させて、商品CFD取引ということもあります。
 ロコ・ロンドン商法は、業者が仲介サービス(媒介、取次、代理)をする場合には、特定商取引法が適用され、クーリングオフが可能ですが、相対取引の場合には適用されません(09年通常国会で、商品先物取引法が可決され、商品CFD取引についても、規制が及ぶようになります)。
 しかし、このような取引は、相場の変動という偶然の事情により財物の得喪を争う行為であって、刑法上の賭博罪に該当する、相場による差金決済取引も法令により許容される場合には「法令行為」として違法性が阻却されますが、ロコ・ロンドン金取引はそのような法令もなく、正当業務行為として認める事情もなく、刑法上違法である、また商品取引所法6条の商品市場類似施設の開設禁止規定違反に該当すると考えられます。
2.東京高裁平成20年3月27日判決(集51−456)はロコ・ロンドン商法について、本件取引は偶然の事情によって利益の得喪を争うものであって、賭博行為に該当し、違法性を阻却する事由を認めることはできないのであって、仮に顧客が本件取引の仕組みやリスクを理解して任意に取引をしたとしても、賭博行為に勧誘した点において損害賠償責任を負うとしました。
 東京高裁平成20年10月30日判決(集53−377)も、同じく賭博行為として違法性を認め、3月27日判決が一定の過失相殺を認めたのに対し、損害額全額について損害賠償責任を負う(過失相殺なし)としました。札幌地裁平成21年1月8日判決(集54−210)、札幌地裁平成21年2月5日判決(集54−257)も過失相殺の適用を否定し全額賠償を認めました(2月5日判決は説明義務違反、適合性原則違反を理由とする)。
3.ロコ・ロンドン金取引は許認可制ではないので、問題のある業者が参入してきているようです。かつて外国為替証拠金取引において、業者が荒稼ぎをして姿をくらますケースが多発し、多大な被害を生み出しましたが、ロコ・ロンドン金取引も同様の危険があります。実際、外国為替証拠金取引業者の構成員であった者がロコ・ロンドン金取引に参入してきているというような話しも聞きます。あやしげな業者であればあるほど逃げ足も早いということが言えます。預託金返還請求(損害賠償請求、不当利得返還請求)をしようにも業者に雲隠れされてしまってからでは手の打ちようがないケースが多く、被害相談→依頼があれば、直ちに法的対応を取る必要があります。

(5) ファンド
 ファンド(集団投資スキーム)とは、一般に複数の投資家から拠出金を集めて特定の主体が運用する仕組みをいいます。
 集団投資スキームについては、特別法(投資信託、商品ファンド等)及び平成16年証券取引法改正でみなし有価証券とされたものについては一定の規制されていたのですが、近時、組合型ファンドを中心に、金融商品取引法が多様な形態のもの(映画ファンド、アイドルファンド、ラーメンファンドなど)が作られるようになり、法規制にばらつきが顕著であったため、平成18年の金融商品販売法改正(19年9月施行)で、集団投資スキームに対する包括的な規定を設けて、例外規定に該当しない限り、金融商品取引法の規制を受けるようになりました。
 ファンド商法においては、どういう対象に投資するか明確でないものがあり、さらに言えば、そもそも投資しているかどうかも怪しい欺瞞商法もあります。運用の実態や返還の意思がないにもかかわらず、お金だけ拠出させて、そのうちに行方をくらます業者も少なくないようで、そうだとすれば、完全な詐欺ということになります。

(6)  未公開株取引
1.未公開株取引とは、上場されていない株式ですが、例えば「Aという会社が今年の秋に東証マザーズに上場される、今なら1株30万円であるが、上場されれば初値で1株80万円以上の値が付く」と言って勧誘され購入したものの、上場予定はなく騙されたという被害がここ数年多数発生しました。
 このような業者は、上場予定はない株式を上場予定で、上場された時は高値がつくと嘘を言って販売するわけですから、悪徳商法というよりも刑事上の詐欺に該当します。また有価証券(上場か非上場を問わず)の売買、仲介を業として行う場合には金融商品取引法上の登録が必要であり、登録なしに有価証券を売買、仲介することは証券取引法にも違反し、刑罰の対象になります。さらに、証券会社の場合であっても、グリーンシート銘柄以外の未公開株の勧誘は原則として禁止されています(公正慣習規則)。
 未公開株商法については、証券取引法、グリーンシート銘柄の趣旨から、未公開株商法を詐欺と認定したものとして、東京地裁平成19年11月30日判決(判時1999−1429)があります。
 未公開株売買の脱法行為として、匿名組合等への加入という形を取るものもありましたが、金融商品取引法上、集団投資スキームの自己募集・私募も登録が必要になりましたので、登録なしに行う場合は金融商品取引法違反になります。
2.近時は、発行会社による未公開株売買がしばしば見られるようになりました。
 発行会社A社から、まずダイレクトメールが送付されてきて、その後、担当者から「当社は郵政関連であり秋口上場」と勧誘され、さらにその後、未公開株仲介(買取)業者と称する者から電話があり「A社株は郵政関連でもあるし秋口の10月頃の上場は間違いないから非常に人気が出ています。買われた方が良いですよ」と言われ、その直後に担当者から再度電話があって購入するにいたるケースがあります。
 発行価格1億円以上の募集・売出においては、有価証券届出書提出義務があり、有価証券届出書提出以前に株式を発行することはできないので、有価証券届出書の提出があるかを確認するのも1つの方法です。また少人数私募の場合は告知・書面交付義務、1億円未満の募集・売出の場合は有価証券通知書提出義務がありますので、欺瞞性をつく手掛かりになる可能性もあります。
 さらにいえば、株券の名義が社長個人等になっている場合には、発行会社が他人(社長)所有株式の「売買の媒介または代理」をしていることになり、無登録取引に該当することになるとも考えられます。
 なお、自社株販売という形態の未公開株商法について取締役の責任を認めた判決として、東京地裁平成21年3月18日判決があります。

 2,相談・依頼・交渉・訴訟

(1) 依頼までの手順
1.電話予約
 まずは電話(078−366−0865)で、予約をして下さい。
 相談内容や弁護士の予定・都合によって、ご相談をお受けできない場合もありますが、予めご了承下さい。
2.資料等の送付
 先物取引等の投資被害の救済においては、投資経験、ストーリー、取引分析が重要です。
 そこでご相談の前に、投資経験と事実の経緯を整理したものや取引報告書・パンフレット等の資料(写し)を送付して頂くことがあります。
資料の送付の要否、送付する資料については、あらかじめ弁護士にご確認下さい。
3.相談−見立て、費用、時間
  相談者の方から事情をうかがい、事件の救済可能性について検討した上で、弁護士としての意見(見立て)をお話しします。また事件解決までに必要な費用・時間等について説明します。なお弁護士費用については、「相談・依頼までの手順、弁護士費用」のページを参照して下さい。
4.依頼、受任
  相談者の方と弁護士との間で、委任(委任事項、方針、費用等)についての合意ができた場合には委任契約を締結します。

(2) 交渉・証拠保全・仮差押・訴訟
 受任後の進め方は、相手方がどのような業者かによって異なってきます。
 まず相手方と交渉し、決裂した時に訴訟提起する場合もあれば、相手方と交渉なしに直接訴訟提起する場合もあります。
 証拠保全といって、相手方が有する証拠を確保するため、裁判所の許可を得て保全する手続を取ることもあります。また仮差押といって、相手方の資産を保全するため、保証金を積んで仮に差押えする場合もあります。

 3,近時の訴訟・和解・示談例
 先物取引被害が不法行為・債務不履行を構成する場合には損害賠償が可能ですが、損害賠償請求が認められても、委託者側にも落ち度があるとして「過失相殺」が適用され、賠償額が減額されるケースが多いのが実情です。そして、減額の程度は委託者の属性(年齢・性別・職業等)によって異なる傾向があります。
 そこで、以下では委託者の属性と回収率に着目した、最近の解決事例を紹介します。実際の解決例では、判決よりも和解によるケースが多く、和解による解決の場合には過失相殺の割合が明示されていなかったり、あるいは遅延損害金を含めた趣旨で和解するケースもありますので、ここでは過失相殺率そのものではなく、実損害に対して現実に回収した金額の比率(実損害比率)を示します。

(1)平成21年7月、神戸地裁にて和解成立。
 委託者は、30才代の自営業者。平成19年6月〜同年12月迄、白金、一般大豆、コーン、ゴム、ガソリン、灯油、粗糖の取引をして962万円の損害を被った。
 平成20年4月受任、内容証明送付。6月提訴。平成21年6月の証人尋問を経て、同年7月、約7割(650万円)の損害賠償金を支払う旨で和解。
 
(2)平成21年4月、大坂地裁にて和解成立。
 委託者は、30才代の自営業者。平成18年12月〜19年10月迄、ガソリン、金、白金、灯油、ゴム等の取引をして、799万円の損害を被った。
 平成19年11月受任、12月提訴。平成21年2月の証人尋問を経て、4月、250万円で和解。いろいろと難しいケースであった。

(3)平成21年2月、神戸地裁姫路支部にて和解(回収率98・5%)。
 委託者は70才代の女性。平成17年8月〜18年5月まで、A社と海外先物取引をして約567万円の損害、平成18年5月〜7月まで、B社と海外先物取引オプション取引をして約63万円の損害、平成18年9月〜平成20年5月迄C社と事業ファンド取引をして546万円の損害を被る。
 平成20年10月受任と同時に内容証明送付、提訴。21年2月、A社から560万円、B社60万円、C社から540万円の返還を受ける和解成立。

(4)平成21年1月、神戸地裁にて和解。
 委託者は50才代の女性。平成18年8月〜20年2月迄、ガソリン、灯油、白金、金の取引をして、約4451万円の損害を被り、さらに約1782万円の差損金が発生した。
 平成20年4月提訴。21年1月、業者が和解金600万円を支払い、委託者に対する差損金1782万円を放棄する内容で和解。業者の信用不安が大きかったため、上記内容での和解となった。

(5)平成20年11月、大阪地裁にて判決言渡(先物取引裁判例集54巻99頁)
 委託者は70才代の男性で、小さな会社の会長。平成15年2月〜同17年8月迄取引をし、金、白金、銀、アルミ等の取引をし、約6538万円の損害を被った。委託者自身が先物業者管理部と交渉し、2100万円で示談したが、管理部担当者は会社から3200万円で決済を得ており、1100万円を取り込んでいた事案。委託者は、管理部担当者に騙され、3200万円の和解書、領収書にサイン。
 平成19年5月証拠保全実施。同年7月提訴。平成20年11月判決言渡。
判決は、先物業者との示談について、錯誤無効ないし詐欺取消を認め、約6538万円の損害のうち、約4割の過失相殺を適用し、そこから既払金2100万円を控除した残額とその弁護士費用相当額として、2000万円の賠償責任を認めた(控訴棄却)。

(6)平成20年10月、神戸地裁にて判決言渡(先物取引裁判例集53巻258頁)。過失相殺3割。
 委託者は40才代の課長代理。平成18年7月〜19年2月迄の取引(金、N大豆、コーン、粗糖、白金、I大豆)で約1248万円の損害を被った。
 平成19年2月証拠保全申立、同年4月実施。同年6月提訴。平成20年10月判決言渡。
判決は、適合性原則違反及び新規委託者に対する助言義務違反を認め、さらに難平・両建・日計について、特段の事情がない限り、顧客に不利益な手法であるのでこれらを顧客に助言することは許されないと判示し、加えて、代表取締役の責任(会社法429条1項)についても認めた。
 控訴審では820万円で和解。

(7)平成20年6月、神戸地裁にて和解。
 委託者は60才代後半の女性(主婦)。平成19年6月、「ロコ・ロンドン金取引」(貴金属保証金取引)にて、425万円の損害を被った。
 平成20年2月受任、直ちに内容証明を出し、神戸地裁に提訴。2回の期日を経て6月、相手方が360万円を支払う旨の和解成立(約85%、但し3回払い)。

(8)平成20年4月、大阪地裁にて和解。
 委託者は40才代後半のサラリーマン。平成16年3月〜18年9月迄、東京アラビカ等の取引を行い、約3950万円の損害を被った。
 平成19年11月受任し、12月に大阪地裁に提訴したが、相手方業者((3)、(6)、(8)、(12)と同じ業者)が廃業のため、やむなく3割に満たない低率(1100万円)にて和解。これまでで、最も残念で、悔しい和解である。

(9)平成20年4月、大阪地裁にて和解。
 委託者は60才前半の男性。平成19年10月下旬〜11月初旬、「ロコ・ロンドン金取引」(貴金属スポット市場証拠金取引)を行い、600万円を支払う。
 11月下旬受任。内容証明を出すと同時に提訴。相手方業者と交渉するも決裂したため、12月初め、債権仮差押の申立(決定)。数回の弁論手続を経て、4月、相手方が540万円(90%、但し4回分割)を支払うことで和解成立。

(10)平成20年4月、示談。
 委託者は50才前半の男性。先物取引の経験あり。相手方業者の従業員から利益保証、損失補填の上で一任勘定取引を持ちかけられ、平成19年4月〜11月迄、取引(関西コーン、東京コーン、一般大豆、東京ガソリン、灯油、ゴム、中部ガソリン、ロブスタ、アラビカ、金、白金、N大豆)をし、約500万円の損害を被った。
 平成20年2月受任、3月提訴するが、相手方業者が廃業とのことで、やむなく250万円(損害の約50%)を支払う旨の示談成立。

(11)平成20年3月、示談。
 委託者は50才代前半の自営。先物取引の経験なし。平成19年8月末から9月上旬の10日あまりの間の取引(トウモロコシ、金)で、入金額(300万円)を超える320数万円の損失が発生(損害300万円+帳尻損金20数万円)。
 平成20年2月下旬、受任するが、相手方業者が解散とのことで、3月初め、やむなく低額にて示談(相手方業者が帳尻金を放棄、委託者に対し損害賠償金75万円を支払う)。

(12)平成20年1月、神戸地裁にて判決言渡(確定、先物取引裁判例集50巻432頁掲載)。回収率(遅延損害金等を含む)は約85%。
 委託者は40才代後半の大学助教授。投資経験なし。平成17年6月〜同18年1月迄、東工ガソリン、金、白金、灯油、パラジウムの取引を行い、約2974万円の損害を被った。殊に17年12月の東工金臨時増証拠金賦課決定後の暴落で、大きな損害を被った。
 判決は、説明義務違反、新規委託者保護義務違反、臨時増証拠金に関する情報提供・助言義務違反、実質的一任下における誠実公正義務違反・善管注意義務違反を認めたが、一方で、委託者の過失相殺を3割とした。
 一審にて確定し、損害賠償額は遅延損害金等を含めて約2520万円あまりで、回収率は84・7%。

(13)平成19年12月、神戸地裁にて判決言渡(確定、先物取引裁判例集50巻397頁掲載)。回収率は約131%(遅延損害金を含む)。
 委託者は50才代のサラリーマン(課長職)で、投資経験なし。平成17年2月〜3月、東京アラビカコーヒーの取引で約494万円の損害を被った。
 外務員の勧誘を断ったところ、「300万円の契約をすると聞いていたのでやって来た。社内的には既に契約しているとのことで手続が完了しているのに今更契約しないと言われても困る。300万円を入金してくれ」と言って、入金を迫り、資金がないと言って断っている委託者に対し「銀行系の消費者金融であれば金利も安い。短期運用であれば利益は確実だ」と言って消費者金融から借入させ、取引させたという事案。
 平成17年12月提訴。判決は、業者側からの過失相殺の主張に対し、強度の違法性ある勧誘を半ば放置していたとして、業者側の相殺の主張を排斥し、さらに消費者金融からの借入・返済を余儀なくされたとして20万円の慰謝料を認めた。
 被告からの控訴はなく、一審にて確定。賠償額は、実損害(約494万円)に弁護士費用相当額、慰謝料、遅延損害金を加えて合計約646万円で、回収率(実損害比率)は130・8%。

(14)平成19年10月、神戸地裁柏原支部にて和解成立(回収率73%)。
 委託者は50才代の小さな会社の役員。株式経験なし。平成18年8月〜同19年2月迄東京コーン、中部ガソリン、同灯油、東京金、同白金、東京N大豆、同I大豆の取引を行い、約612万円の損害を被った。
 平成19年5月提訴、同年10月、上記450万円の損害賠償金を相手方が支払うことで和解成立。

(15)平成19年9月、示談成立(回収率82%)。
 委託者は40才代のサラリーマン。平成18年1月〜同19年5月迄東工金、白金、東穀アラビカ、ロブスタ、I大豆、コーン、N大豆の取引を行い、約552万円の損害を被った。
 平成19年8月28日受任し、翌9月26日453万円の示談金(回収率82%)を相手方が支払うことで示談成立(同月28日回収)。

(16)平成19年9月、神戸地裁尼崎支部にて判決言渡(確定、先物取引裁判例集49巻362頁掲載)。回収率は130%。
 委託者は70才代の男性(元教師)。平成14年9月〜同15年11月迄東京灯油、中部灯油の取引をして、約3981万円の損害を被った。
 委託者の相続人(子)から平成18年8月依頼を受け、相続分について同年9月提訴。翌19年9月判決言渡で、過失相殺なしの判決を得た。
 仮執行宣言に基づき債権執行(銀行預金の差押え)を行ったところ、相手方から直ちに支払う旨の連絡があり、実損害比率で130%の回収を得た。

(17)平成19年9月、示談成立(回収率100%)
 委託者は80才の女性。平成19年8月から貴金属スポット市場証拠金取引として称して1500万円を拠出させ、711万2755円は返還したが、788万7245円は売買差損金であるとして返還しなかった。9月11日受任し、同月21日、示談成立(10月5日回収)。

(18)平成19年7月、大阪高裁にて和解成立(回収率108%)。
 平成19年3月神戸地裁判決の控訴審。委託者の年齢(80才)を考慮して、早期解決のため、1億円で和解(実損害額からすれば、回収率は108%)。

(19)平成19年5月、示談成立(回収率81%)。
 委託者は40才代のサラリーマン(課長職)。平成15年5月〜18年6月迄東京アラビカコーヒー等の取引により1715万円の損失。
 平成19年1月16日受任し、同月19日証拠保全申立。2月22日証拠保全実施。交渉の上、5月30日、1400万円の示談金を支払うことで示談成立。

(20)平成19年5月、神戸地裁尼崎支部にて和解成立。
 委託者は60才代の女性。平成18年2月〜5月迄海外商品先物オプション取引で約1380万円の損害を被った。
 平成18年5月26日受任、直ちに仕切指示と共に勘定元帳・録音テープ等の開示要求。7月27日提訴。第1回(9月8日)から数回の期日を経て、5月8日、1200万円(約87%、ただし10回払い)の和解金を支払うことで和解成立。

(21)平成19年5月、示談成立(回収率90%)。
 委託者は60才代の女性。平成18年10月、ロコ・ロンドン金取引に息子名義で1000万円拠出。
 19年4月13日受任し、相手方に内容証明郵便にて損害賠償請求。相手方に代理人弁護士が就き、交渉、5月7日、900万円の返還を受けることで示談。
本来であれば全額返金を受けるべき事案であるが、相手方がいつ、いなくなる(倒産ないし逃亡)かもしれないため、早期解決の見地から、上記示談となった。

(22)平成19年4月、大阪高裁にて判決言渡(判例時報1987号18頁、先物取引裁判例集15頁掲載)。回収率は100%。
 委託者は50才代女性。平成17年1月から10月まで、外国為替証拠金取引を行って利益が出て、約500万円の預託金を有していたところ、10月に相手方従業員がやって来て、相手方会社が関東財務局から監査を受けており、行政処分を受ければ会社はつぶれ、預託金は殆ど戻ってこない、戻ってこないお金よりも財務局の結果が出る前なら100万円程度は確実に戻すことができる等と申し述べ、委託者に150万円を2回分割で支払うが残りの350万円について債務免除させる旨の和解合意書(示談書)に署名捺印させた(150万円は支払われた)。
 消費者契約法4条の断定的判断提供に基づく不当な示談であるとして、示談の取消を主張。一審は委託者の請求を退けたが、大阪高裁は、会社の倒産可能性や預託金の返還可能性等に対する断定的判断提供も同条の断定的判断提供に該当するとして、取消を認め、残額350万円の返還を認めた。
 相手方、上告受理の申立をするが、却下にて確定。

(23)平成19年3月、神戸地裁にて判決言渡(先物取引裁判例集48巻68頁掲載)。
 委託者は70才代の男性(農業)。平成12年12月から17年7月迄東穀・福岡コーン、東穀N大豆の取引により、約9240万円の損害を被った。
 平成17年8月証拠保全申立、9月実施(検証拒否)。10月神戸地裁に提訴。11月の第1回期日から弁論手続を経て、平成18年10月及び11月に証拠調べ実施、平成19年1月弁論終結。
 19年3月判決言渡。実損害額(過失相殺ゼロ)及び税金負担分並びに弁護士費用を含めて約1億1290万円を認容。

(24)平成19年2月、神戸地裁にて和解成立(回収率83%)。
 委託者は50才代の男性(有名企業の部長職)。平成16年6月から17年2月迄中部、東工ガソリンの取引を行い、約4200万円の損害を被った。
 平成17年4月受任、証拠保全申立、6月実施。8月神戸地裁に提訴。9月の第1回期日から弁論手続を経て、平成18年12月証拠調べ実施。平成19年1月の弁論終結後、2月に和解。
 浮き玉の立証と過失相殺ゼロを目指して努力し、判決が欲しかった事案だが、控訴審判決迄の時間とリスクを考え、和解。

(25)平成19年1月、神戸地裁にて和解成立。(回収率47%)。
 委託者は60才代の男性。平成16年8月から10月迄東工金の取引を行い、約840万円の損害を被った。
 平成16年11月受任し、17年1月証拠保全申立、3月実施。5月会社と担当者を被告として神戸地裁に提訴するが、会社は破産。9月、担当者とは100万円で和解。
 同年11月、会社の社長と担当者の上司を被告として、再度、神戸地裁に別訴を提訴。平成18年1月の第1回期日から弁論手続を経て、12月原告、担当者、上司2名、社長の5名について、集中手中証拠調べ実施。平成19年1月、300万円和解(担当者の100万円を加えて回収額は400万円)。
 直接取引に関わらない会社社長の経営者としての責任や担当者の背後にいる上司の責任を認める判決が欲しかった事案だが、委託者の年齢・意向、控訴審までの負担を考え、和解。

(26)平成18年3月、神戸地裁尼崎支部にて、和解成立。(回収率70%)。
 委託者は60才の女性(年金生活者)。平成17年3月から6月まで、海外通貨オプション取引を行い、約2891万円の損害を被った。
 平成17年6月受任、9月提訴。11月の第1回から数回の弁論手続を経て、平成18年3月2020万円で和解(証拠調べせず)。

(27)平成18年2月、和解成立。(回収率29%)。
 委託者は90才の男性(大企業の相談役)。平成11年3月から8月迄、東穀トウモロコシ、大阪ゴムの取引を行い、1億4360万円の損害を被った。平成15年死亡。
 平成16年11月、委託者の遺族から依頼があり、受任。12月証拠保全申立、平成17年1月実施。その後、交渉を経て、4100万円で和解成立。相手方提案額が低く、本来なら提訴の事案であるが、依頼者の方が少しでも早い解決をのぞまれ、上記和解となった。

(28)平成17年11月、示談成立。(回収率61%)。
 委託者は40才代の男性公務員(教師)。平成17年8月から9月まで約1ヶ月間、東工白金、金、原油の取引を行い、約567万円の損害を被った。取引数は新規13回、仕切り15回で、特定売買は2回(特定売買率13・3%)。手数料率25・37%。
 9月末に受任し、11月4日に神戸地裁に提訴したが、同月28日、訴訟外で350万円の和解金を同月30日に支払うことで和解合意(示談)が成立。委託者の属性、特定売買率・手数料率がそう高くないこと、早期解決(受任2ヶ月内の回収)等を考え、上記和解となった。

(29)平成17年1月、神戸地裁にて和解成立。(回収率(実損害比率)50%(委託者拠出額からすれば90%))。
 原告は60才代の女性。平成13年10月から東京とうもろこし外数種類の商品取引を約1年間、行った。平成14年9月には、原告名義で示談書が交わされ、約1824万円の返金を受け、受任時点での実損害は約1977万円であった。
平成16年3月、神戸地裁に提訴し、弁論手続を経て、17年1月、1000万円で和解成立(証拠調べせず)。
 裁判所の和解案は、示談書が交わされた時点の損害(約3114万円)に1割の過失相殺を適用し、示談後に返還された1824万円を弁済として控除した残額約1000万円を和解金として提示するものであった。原告の属性や和解書作成後も原告名義で取引が行われていた欺瞞性からすれば、もっと高い賠償が可能な事案ではあったが、受任前に原告名義で示談書が作成され、約1824万円の返還を受けていたこと、原告が早い解決を望まれたこと、相手方の財務状態がよくないと判断されたこと等から上記和解となった。

(30)平成16年7月、大阪高裁にて和解成立。(回収率96%)。
 原告は70才代の女性。平成14年6月から、東京金外数種類の商品取引を1ヶ月弱行い、5180万円の損害を被った。
 平成14年12月、神戸地裁に提訴、平成16年2月判決言渡(4560万円と遅延損害金)あるも、双方控訴。7月、大阪高裁にて5000万円で和解が成立した。
 一審判決は、神戸地裁平成16年2月5日判決(先物取引被害裁判例集36巻1頁掲載)。

(31)平成16年6月、示談成立。(回収率57%)。
 委託者は40才代の男性会社員。平成15年9月〜同16年3月まで東京アラビカコーヒー外数種類の商品取引を5ヶ月半行い、約1740万円の損害を被った。
 平成16年3月、受任し、手仕舞いから関与、6月、1000万円で示談成立。

(32)平成16年1月、神戸地裁にて和解成立。(回収率67%)
 原告は30才代の男性会社員。平成13年3月から8月まで東京金外数種類の商品取引を5ヶ月行い、約890万円の損害を被った。
 平成14年7月、神戸地裁に提訴、16年1月、600万円で和解が成立した。

(33)平成15年5月、神戸地裁にて判決言渡(確定、先物取引裁判例集35巻169頁掲載)。回収率は134%(遅延損害金を含む)。
 原告は30才の男性公務員。平成8年11月から翌9年8月まで、東京パラジウムの取引を行い、約1340万円の損害を被った。
 平成12年6月提訴し、15年5月、神戸地裁にて判決言渡。実損害1340万円以外に慰謝料100万円の損害を認めた上で、過失相殺(1割)を適用(プラス弁護士費用相当額100万円)。本来の賠償額(約1400万円、回収率104%)に損害金約410万円を加算すると、回収率は134%。

(34)平成15年3月、大阪高裁で判決(確定)。(回収率49%(遅延損害金を含む))。
 原告は60才代の男性会社員。平成9年9月から翌10年10月まで約1年間、関西大豆の取引を行い、約3000万円の損害を被った。
 大阪高裁は、違法要素として新規委託者保護義務違反のみを認め、損害の範囲も新規委託者取引期間内(取引開始後3ヶ月)に限定し、さらに過失相殺(時期に応じて5割ないし4割)を適用した。回収率は40%(遅延損害金を含めると49%)。
 高裁判決の違法性論、損害論、過失相殺論はいずれも不当であり、最も悔しい判決の1つです。

(35)平成15年2月、大阪地裁にて和解成立。(回収率75%)。
 原告は30才代の男性自営業者。平成13年4月10日に東京アラビカコーヒー100枚、翌11日に50枚の買建玉をしたが、13日には150枚の両建てとなり、19日、全建玉の仕切となり、825万円の損害を被った。
 平成13年10月提訴し、15年2月、620万円で和解成立した。
 不法行為に基づく損害賠償と併せて断定的判断提供等による消費者契約法の取消を主張。裁判所は4月11日の取引の断定的判断提供、13日の取引の不利益事実の不告知は認めうるが、10日の取引の断定的判断提供がやや証拠上弱いとして、不法行為構成を採用し、25%の過失相殺を適用した和解案を提示し、上記和解となった。

(36)平成14年12月、示談成立。(回収率73%)。
 委託者は70才代の女性。委託者は相手方会社従業員の勧誘により、平成14年6月から同年10月までに、外国為替証拠金取引における証拠金の名目で、相手方会社に1000万円、相手方会社従業員個人に約1680万円を拠出した(内85万円については会社から返金を受けている)。
 平成14年10月に受任し、同月相手方会社から約915万円を回収(回収率100%)。相手方従業員個人に対しては刑事告訴したが、12月、1000万円返還を受けることで示談し、同日、回収し(回収率59%)、告訴を取り下げた。

(37)平成14年12月、神戸地裁姫路支部にて和解。(回収率74%)。
 原告は60才代の男性自営業者。平成12年9月から同年12月まで東京とうもろこし外数種類の商品取引を行い、2830万円の損害を被った。
 平成14年2月、提訴し、12月、2120万円で和解。
 録音テープが交渉時点から問題となったが、相手方は交渉時点や証拠保全時にも提出を拒否し、訴訟で任意提出を求めた際も応じなかった。しかし、文書提出命令申立を行うと、相手方から和解したい旨の申し出があり、上記和解となった。

(38)平成14年9月、神戸地裁にて和解成立。(回収率67%)。
 原告は40才代の男性会社員。平成10年10月から12月まで、関門とうもろこしの取引を行い、520万円の損害を被った。
 平成12年5月提訴し、14年9月、350万円で和解。

(内橋 一郎)
以上
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