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 家事・相続
 夫婦関係、親子関係などの家族をめぐる法的な紛争の法律相談、調停申し立て、訴訟などを担当します。  遺言書の作成、遺言執行、遺産分割などの相続に関する法律相談、調停申し立て、訴訟などを担当します。
  相談にお越しになる時に(主として離婚事件)
相談の機会をできるだけ充実した内容にするために、以下のようなことをご準備ください。離婚の相談を例に説明します。

(1) 事案の経過をまとめる
●離婚の原因として問題になる出来事を含め、子の出生、生活に影響する仕事の変更、
大きな争い、別居など、主な経過を簡単な経過表に書き出します。
(分量目安はレポート用紙1枚程度)
例:
H15.3 結婚、○市内で同居
H17.8 子出生
H18.10 自宅購入、×市○区へ引越。
H19.6.6 (エピソード1)
H20.7.15 (エピソード2)
H20.7.17〜.30 別居
H21.4 子○○幼稚園へ入園
H22.5 (エピソード3)
H23.7 (エピソード4)
H23.8 別居
●目的―正確に書き出すことで、相手方との交渉や裁判で、主張がぶれることを防げます。また、紛争の経過をまとめることで、紛争の問題点が見えやすくなります。さらに、事実を整理することで、こころの整理ができることもあります。

(2) 財産分与に関する整理
財産分与の対象は、夫婦が婚姻中共同して形成した夫または妻名義の財産です。特有財産(婚姻前からあったとか、婚姻中でも相続で取得したとか、夫婦としての協力なしに取得した財産)であるとの反証がない限り、夫婦の婚姻財産と推定されます。
これを以下のようなリストに従って、わかる限り書き入れ、その財産のことが分かる「資料」をある限り、つけるようにしましょう。
整理例:

No 名義人 財産の種類 現在価値 資料
1 夫婦 自宅土地建物 3000万円 不動産登記簿謄本・査定書
2 住宅ローン △2000万円 住宅ローン明細書
3 預金(■銀行■支店)  200万円 通帳写
4 生命保険解約返戻金 250万円 生命保険解約返戻金計算書
5 預金(■銀行■支店) 210万円 通帳写
    合計 1660万円  


(3) 解決の方向についてのあなたのお考え
ご相談になる紛争についてどのような方向で解決なさりたいか、ご自身の価値観や生き方に照らして考え、それをお話し下さい。あなたのお考えをしっかり深め、法的にサポートできること、その進め方について、ご相談したいと思います。

 離婚を考えるときに
  離婚は、離婚に先立つ別居とともに、家族生活を大きく変更する行為です。そのような選択をするには、それぞれに悩み、深く考えを巡らせます。自分だけの幸不幸でなく、子どもがいれば子どものこともしっかり考えなくてはなりません。その際、離婚後の生活に、経済的な不安等を覚えることも少なくありません。
不安には、それに向き合い、問題のサイズをつかむことで、対処の方法がみつかったり、覚悟を決めて、次に進むことができるようになるものです。解決しようという気力が充実したら、関連する情報を集め、離婚後の生活をデザインし、そのために準備できることを始めましょう。

(1) 情報を集める
・離婚に関する裁判や法的手続きのなかで、「不安」となる問題に対処できるどんな救済や給付を得ることができるか/どれだけの資産を手元に残すことができるか
・社会保険や福祉サービスなどの行政サービスでいつからどんなものが利用できるか
・離婚(別居)後の生活に必要な家賃はいかほどか など

(2) 離婚(別居)後の暮らしをデザインする
・離婚後または別居後、どこに住まいを置き、誰と生活するか
・その生活開始の準備はどうするか。生活費はどのくらい必要で、その費用をどこから賄うか
・子どもや病気の家族がいたら、その家族の世話は、だれが、どうするか。保育所や学校、医療機関や施設は、どうするか など

(3) そのための準備を始める
・仕事につき、働きに出てみる
・気力と体力を養う
・子どもや家族との関わりを見直す など
 離婚問題Q&A
Q1  夫と離婚したいのですが、どのような手続きを取ればいいのでしょうか。
 また相手方の意思に反しても離婚が認められるのでしょうか。
A1 (1) 夫婦間で離婚の合意がある場合には、「離婚届」に必要事項を記載して、夫婦と証人2名が署名捺印して戸籍役場に届出をし、受理されれば離婚が成立します。
これに対し、離婚の合意ができない場合には、夫婦の一方から他方に対し家庭裁判所に「調停」(夫婦関係調整調停)を申し立てます。調停で離婚について合意できた場合には合意事項を調停調書に記載すれば離婚調停が成立します(なお調停成立の場合も届出をしますが、この届出は報告的届出であるとされています)。
調停でもなお離婚を合意できない場合には家庭裁判所に離婚の「裁判」を起こすことになります。
  A1 (2) 相手方との合意があれば離婚できますが、合意が得られない場合には裁判上の離婚原因が存在することが必要です。
民法770条1項は@不貞、A悪意の遺棄、B生死不明、C強度の精神病、D婚姻を継続し難い事由と裁判上の離婚原因を規定しています。「婚姻を継続し難い事由」に該当するものとして、暴行・虐待、勤労意欲の欠如・浪費、愛情の喪失、犯罪等が指摘されています。
相当期間にわたる別居も「破綻」の事実を示すものとして実務上重要なポイントになります。
Q2   夫との結婚生活は30年になりますが、このたび、離婚することになりました。財産分与は何について、どの程度、請求することができるのでしょうか。また慰謝料はどの程度の請求が可能でしょうか。
A2 (1) 民法は離婚をした一方は他方に対し「財産分与」を請求することができると定めていますが、財産分与の趣旨は夫婦の結婚生活において形成された共通財産の清算及び離婚後の弱者に対する扶養料にあるとされています。
共通財産の清算ですので、夫婦の一方が婚姻前から各自が所有していたもの、婚姻中に一方が相続等によって取得したものは清算の対象になりません。
一方、「退職金」も既に受給ないし支給の決定したものは清算の対象になります。将来支給される退職金については、ケースによって判例の結論が違うようですが、東京地裁平成11年9月3日(判例タイムス1014号239頁)は、定年6年前に夫婦間で財産分与が問題となった離婚請求事件につき、「将来退職金を受け取る蓋然性が高い場合は、将来受給するであろう退職金のうち、夫婦の婚姻期間に対応する分を算出し、これを現在の額に弾き直したうえで、清算の対象とすることができる」と判示したのが参考になります。
「年金」も退職金に準じて清算の対象になると考えていいでしょう。
なお、離婚による「年金分割制度」については、離婚当事者の婚姻期間中の厚生年金納付記録の分割が平成19年4月以降に成立した離婚につき認められるようになり
ました。
A2 (2) 「財産分与の割合」については平成6年7月に法務省が民法改正案として、「2分の1ルール」を提唱しましたが現在まで立法化はされていません。
従前は共稼ぎ型か、家業協力型か、専業主婦型かによって分与率が異なる傾向があるされてきましたが、近時は、2分の1が原則で、具体的な事情によって修正が施されているのが実務的な運用であると思われます。
A2 (3) 離婚慰謝料」とは、離婚によってこうむる精神的苦痛に対する損害賠償で、相手方の有責行為(夫婦としての協力義務違反、不貞、暴力など)が必要です。
  慰謝料の算定にあたっては@有責性、A婚姻期間、B相手方の資力が大きな要因であるとされています。
200万円〜500万円のケースが多いように感じますが、1000万円を超える高額慰謝料が認められたケースもあります。
Q3 夫と離婚し、子供の親権者には私がなって、子供を育てるのですが、夫にどの程度の養育費を請求することはできるでしょうか。またいつまで請求することができるのでしょうか。
A3 (1) 民法は子の養育費の具体的な算定方法について規定はなく、子の「必要生活費」を親の収入と支出を考慮して、ふりわけているのが実務です。
子の必要生活費の算定については実費方式、生活保護方式、労研方式、標準生計費方式があり、また分担額の算定については余力比方式、生活程度比率方式、収入比方式等があるとされていますが、裁判例では何らかの算定方式を示して金額を算出した上で、個別事情による修正を行って、 分担額を決定しているようです(判例タイムス1100号168頁斉藤啓昭「養育費の算定方式と裁判例」)。裁判官からなる「東京・大阪養育費等研究会」では「簡易迅速な養育費等の算定を目指して」養育費の算定方式と算定表の提案を行っているのが実務上、参考になります(判例タイムス1111号285頁以下)。
A3 (2) 家事調停条項では、養育費の支払終期につき、20歳までとする例が一般的のようですが、成年に達した子についても学費や生活費を認めた裁判例も多いようです(判例タイムス1100号166頁)。
 遺言・相続Q&A
Q1  私には妻と子供が2人います。長男は東京でサラリーマンになり、次男が神戸で家業を継ぎました。私とすれば、家業を継いでくれた弟の方に私の財産をより多く分け与えたいのですが、どのような内容の遺言をすればいいのでしょうか。
 また遺言の書き方(方式)はどうすればいいのでしょうか。
A1 (1) 妻と子が相続人の場合、その「法定相続分」は妻が2分の1で、子が4分の1ずつですが(民法900条1号、4号)、遺言でこれと異なる相続分を指定することができます。
したがって、例えば、弟の相続分を6分の3、妻6分の2、兄6分の1と指定することもできます。
また6分の3というような割合で指定するだけでなく、特定の財産(例えば店舗や家)を弟に相続させるということも可能です。
  A1 (2) 遺言には自筆証書遺言、公正証書遺言、秘密証書遺言があります。
「自筆証書遺言」とは、遺言者がその全文、日付、氏名を自筆し、押印したものをいいます(民法968条)。
「公正証書遺言」は遺言者が公証人に遺言の趣旨を口授し、公証人がこれを公正証書としたものをいいます(969条)。
「秘密証書遺言」とは、遺言者が遺言書に署名捺印した上、封印して、公証人に提出し、公証人が日付・遺言者の申述を封紙に記載して署名捺印したものをいいます(970条)。 
自筆証書遺言は簡便ですが、方式が間違っていると無効とされる可能性があります。この点、公正証書遺言は公証人が作成するものですから、その意味で安心です。秘密証書遺言は内容について公証人のチェックがありません。これらを総合すれば、遺言をされるのであれば、公正証書遺言がベターであると考えます。
Q2  私は5年前に母を、今年になって父を亡くしました。遺言はありませんでした。私は長男で、家業を継ぎ、長年父母と同居してきましたが、東京にいる姉や福岡に住む弟からは遺産分けをして欲しいと言って来ています。遺産としては、今住んでいる父名義の自宅兼店舗の外に預貯金があります。この場合、遺産分割はどのような基準で決まるのでしょうか。またその手続はどのようなものでしょうか。
A2 (1) 子が相続人の場合の法定相続分は均等(兄弟3名の法定相続分は3分1ずつ)ですが、具体的な相続分はいわゆる「特別受益」がある場合(民法903条)ないしは「寄与分」(904条の2)がある場合はこれらを考慮して修正されます。
「特別受益」とは被相続人から遺贈を受けたり、あるいは結納金、住宅購入資金等結婚や生活のための特別の贈与を受けている場合です。「寄与分」とは被相続人の財産の維持・増加に特別の寄与をした相続人がいる場合をいいます。本件ではこれらの点は不明ですが、仮にそのような事情がある場合には考慮されます。
  また民法906条は、遺産分割につき「年齢、職業、心身の状態及び生活の状況」を考慮すると規定しています。実務では職業、年齢・心身の状態、取得者の意向、被
相続人の意向、遺産の従前の利用関係、調停の経過が遺産分割のファクターとして斟酌されます(「遺産分割事件の処理をめぐる諸問題(法曹会)326頁」)。
  本件で言えば、相談者が家業を継いでいること、唯一の不動産に現在も居住していること、父母と同居し、父母の世話をしてきたこと等が重要な要素になります。
A2 (2) 遺産をどのように分けるかが兄弟間の話し合いで決まれば、「遺産分協議書」を作成し、遺産分割の実行、すなわち家の登記等を行うことになります。
これに対し、任意の話し合いで、遺産分割の協議ができない場合には「遺産分割調停」を家庭裁判所に申し立てることになります(民法907条2項)。
調停でも意見が一致しない場合は、「審判」と言って、裁判官(審判官)が上記基準を考慮して決めることになります。
Q3  今年になり、父が亡くしました。父は遺言を書いていたのですが、遺言書によれば財産は弟だけに相続させることにとなっており、長男の私や母には何1つ触れられていませんでした。しかし、相続人には「遺留分」というものがあると聞いています。遺留分により、どの程度の相続分を取得することができるのでしょうか。またそのためにはどのような手続をとればいいのでしょうか。
A3 (1) 遺言者は遺言で自分の財産を処分することができるのですが、民法は、一定範囲の相続人(遺留分権利者)に期待権を保証する見地から、最低限度の相続分を確保する制度を定めております。これを「遺留分」制度といいます。
遺留分権利者は直系卑属、配偶者、直系尊属です(兄弟姉妹には遺留分は認められません)。遺留分の割合は直系尊属だけが相続人の場合は遺産の3分の1、その他の場合は2分の1で、これに法定相続分を乗じたものが各相続人の遺留分になります(民法1028条)。
本件の場合、遺留分は2分の1で、子1人の法定相続分は4分の1ですから、8分の1が相談者の遺留分になります。
A3 (2) 遺留分を害された遺留分権利者は害された限度で遺留分減殺請求をすることができるとされています(民法1031条)。減殺請求の相手方は遺贈や贈与を受けた者ですが、「相続させる」との遺言で相続することになった相続人も含まれます。
遺留分減殺請求は「遺留分権利者が相続開始及び減殺すべき贈与・遺贈があったことを知った1年間これを行わなければ時効により消滅する」とされています(104
2条)ので、本件の場合、遺言の存在を知った時から1年内に遺留分減殺請求の意思表示を相手方にしなくてはなりません。この場合の遺留分減殺請求の意思表は「内容
証明郵便」で行っておくことが必要です。
  遺留分減殺請求の意思表示により相手方が任意に財産を返還すればいいのですが、これに応じない場合は「調停」を申し立て、それでも合意が得られない場合には「訴訟」を提起することになります。
以上
弁護士内橋一郎
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